お知らせ
【公募開始!大幅変更あり】第10回事業再構築補助金徹底解説!
2023年3月30日に事業再構築補助金の第10回公募が開始されました。新型コロナウイルスやウクライナ情勢、物価高騰などの影響が続いている昨今では、注目している事業者も多いかと思います。
今回の第10回公募からは令和4年度第2次補正予算の内容が反映されており、公募要領の大きな変更が行われました。今回はそんな第10回事業再構築補助金の変更点について、徹底解説いたします。また、一部の枠組みでは2回目の申請も可能となっています。過去に採択実績がある事業者様も是非ご注目下さい!
第10回公募の変更点
枠組みや補助金額・補助率、応募要件など様々な点が変わっています。補助率や補助金額が下がるなどのマイナス面もありますが、売上減少要件が撤廃されたなど申請のハードルが緩和されている箇所も多く、今回の公募要領の変更によって対象となる事業者の幅が広がったと考えられます。
<注目の変更点>
・枠組み、補助金額、補助率が変更
・売上減少要件が撤廃
・市場規模が10%以上拡大する業種・業態に絞られる
・インセンティブ枠の追加
・採択事業者も2回目の申請が可能に
・賃上げが必須要件に
<枠組み、補助金額、補助率が変更>
①申請枠の変更
「通常枠」の「成長枠」への変更、「グリーン成長枠」の二段階化、「緊急対策枠」と「回復、再生応援枠」の統合、申請枠の追加(産業構造転換枠、サプライチェーン強靭化枠)などの変更が行われました。各申請枠の詳細については、次の段落で解説しております。
過去公募の申請枠一覧 | 第10回公募の申請枠一覧 |
・通常枠 ・グリーン成長枠 ・大規模賃金引上枠 ・最低賃金枠 ・緊急対策枠 ・回復、再生応援枠 | ・成長枠 ・グリーン成長枠(エントリー/スタンダード) ・産業構造転換枠 ・サプライチェーン強靭化枠 ・最低賃金枠 ・物価高騰対策、回復再生応援枠 |
②補助金額、補助率の変更
第10回公募では、補助金額・補助率も変更されています。通常枠(現成長枠)の補助率が2/3から1/2に下がった点はマイナスな印象もありますが、その一方でインセンティブで補助率や補助金額を引き上げることが可能であったり、最大5億円の補助金を受けられる枠が新設されたりもしています。
過去公募の補助金額・補助率一覧 | ||
申請枠 | 補助金額 | 補助率 |
通常枠 | 最大8,000万円 | 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2) |
グリーン成長枠 | 最大1億円 | 1/2 |
大規模賃金引上枠 | 最大1億円 | 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2) |
最低賃金枠 | 最大1,500万円 | 3/4 |
緊急対策枠 | 最大4,000万円 | 3/4 |
回復再生応援枠 | 最大1,500万円 | 3/4 |
第10回公募の補助金額・補助率一覧 | ||
申請枠 | 補助金額 | 補助率 |
成長枠 | 最大7,000万円 | 1/2 (インセンティブ達成で2/3) |
グリーン成長枠/エントリー | 最大8,000万円 | 1/2(インセンティブ達成で2/3) |
グリーン成長枠/スタンダード | 最大1億円 | 1/2(インセンティブ達成で2/3) |
産業構造転換枠 | 最大7,000万円 | 2/3 |
サプライチェーン強靭化枠 | 最大5億円 | 1/2 |
最低賃金枠 | 最大1,500万円 | 3/4 |
物価高等対策・回復再生応援枠 | 最大3,000万円 | 2/3 |
<売上減少要件の撤廃(成長枠)>
事業再構築補助金第10回公募では、これまで「通常枠」として設けられていた申請枠が撤廃され「成長枠」が創設されています。この成長枠になって大きく変更された点の一つとして、売上高減少要件がなくなったことがあげられます。
これまでの通常枠では、「2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等」が申請するための要件となっていました。この要件が無くなったことで、第10回公募からはより幅広い事業者が対象となるでしょう。
<市場規模が10%以上拡大する業種・業態に絞られる(成長枠)>
通常枠が成長枠になったことによるもう一つの大きな変更点として、補助事業として取り組む事業が、過去〜今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していることが必要となりました。
(成長枠対象リスト)
※指定された業種・業態以外であっても、応募時に要件を満たす業種・業態である旨データを提出し、認められた場合には対象となります。(過去の公募回で認められた業種・業態については、その後の公募回では指定業種として公表されます。)
<インセンティブ枠の追加(成長枠・グリーン成長枠)>
成長枠とグリーン成長枠では、「大規模賃金引上促進枠」と「卒業促進枠」という、賃金の引上げと企業規模拡大に関するインセンティブ枠が設けられています。
それぞれの条件やインセンティブ内容は以下の通りです。
インセンティブ枠 | 要件(成長枠又はグリーン成長枠) | インセンティブ内容 |
大規模賃金引上促進枠 | ①補助事業の終了後3~5年の間に、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること ②補助事業の終了後3~5年の間に、従業員数を年率平均1.5%以上増員させること | 補助率が1/2→2/3に引き上げ |
卒業促進枠 | 補助事業の終了後、3〜5年で中⼩企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業すること | ・補助上限上乗せ100万~3,000万円 ・補助率が1/2→2/3に引き上げ |
<採択事業者も2回目の申請が可能(グリーン成長枠・サプライチェーン強靭化枠)>
これまでの事業再構築補助金は事業者につき1度の採択が原則となっていましたが、今回の第10回公募では一部の枠において採択事業者による2回目の申請が可能となりました。対象となるのはグリーン成長枠とサプライチェーン強靭化枠で、以下の2つのケースで申請することが出来ます。
過去の事業再構築補助金において、グリーン成長枠以外での採択を受けた事業者 | グリーン成長枠・産業構造転換枠・サプライチェーン強靭化枠で2回目の申請が可能 |
過去の事業再構築補助金において、グリーン成長枠での採択を受けた事業者 | サプライチェーン強靭化枠で2回目の申請が可能 |
<賃上げが必須要件に(成長枠・グリーン成長枠・サプライチェーン強靭化枠)>
成長枠とグリーン成長枠、サプライチェーン強靱化枠では、必須要件に「事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること」が組み込まれています。過去の補助金ではなかった要件となっているため、注意が必要なポイントとなります。
各枠組みの詳細
各枠組みの詳細について解説します。いずれの枠でも申請するためには、事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し一体となって事業再構築に取り組むことが必須となります。
(事業再構築補助金 公式サイト)
(第10回事業再構築補助金の公募要領)
<成長枠>
成長分野への大胆な事業再構築に取り組む中小企業等を支援する申請枠です。過去の事業再構築補助金における「通常枠」に該当する枠となります。通常枠とは異なり、申請における売上高減少要件は無くなりましたが、成長分野(過去〜今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡⼤する業種・業態)での補助事業実施が必要となりました。
補助金額 | 【従業員数 20 人以下】 100 万円 ~ 2,000 万円 【従業員数 21~50 人】 100 万円 ~ 4,000 万円 【従業員数 51~100 人】 100 万円 ~ 5,000 万円 【従業員数 101 人以上】 100 万円 ~ 7,000 万円 |
補助率 | 中小企業者等 1/2 (大規模な賃上げ(※)を行う場合は 2/3) 中堅企業等 1/3 (大規模な賃上げ(※)を行う場合は 1/2) |
補助対象経費 | 建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費 |
必須要件 | ・取り組む事業が過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上拡大する業種、業態に属していること ・補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 4.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること ・事業終了後 3~5 年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること |
<グリーン成長枠>
研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題の解決に資する取組を行う中小企業等の事業再構築を支援する申請枠です。グリーン成長枠は以前の事業再構築補助金でも設けられていましたが、今回からは「エントリー」と「スタンダード」の2つに分かれることになりました。従来の要件はスタンダードとなり、新たに設けられたエントリーは要件が緩和された使い勝手が良くなったものとなっています。
補助金額 | (エントリー) 中小企業者等【従業員数 20 人以下】100 万円 ~ 4,000 万円 【従業員数 21~50 人】100 万円 ~ 6,000 万円 【従業員数 51 人以上】100 万円 ~ 8,000 万円 中堅企業等 100 万円 ~ 1 億円 (スタンダード) 中小企業者等 100 万円 ~ 1 億円 中堅企業者等 100 万円 ~ 1.5 億円 |
補助率 | 中小企業者等 1/2 (大規模な賃上げ(※)を行う場合は 2/3) 中堅企業等 1/3 (大規模な賃上げ(※)を行う場合は 1/2) |
補助対象経費 | 建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費 |
必須要件 | ・補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均5.0%(エントリーは4.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均5.0%(エントリーは4.0%)以上増加する見込みの事業計画を策定すること ・グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取組であって、その取組に関連する2年以上(エントリーは1年以上)の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと ・事業終了後 3~5 年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること |
<産業構造転換枠>
国内市場の縮小等、産業構造的な課題に直面している業種・業態の中小企業等が取り組む事業再構築を支援する申請枠です。対象経費に「廃業枠」が追加されていることが特徴で、廃業を伴う場合に最大2,000万円の廃業費が上乗せされます。
補助金額 | 【従業員数 20 人以下】 100 万円 ~ 2,000 万円 【従業員数 21~50 人】 100 万円 ~ 4,000 万円 【従業員数 51~100 人】 100 万円 ~ 5,000 万円 【従業員数 101 人以上】 100 万円 ~ 7,000 万円 ※廃業を伴う場合には、廃業費を最大 2,000 万円上乗せ |
補助率 | 中小企業者等 2/3 中堅企業等 1/2 |
補助対象経費 | 建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費、廃業費 |
必須要件 | ・補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること ・現在の主たる事業が過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上縮小する業種・業態に属しており、当該業種・業態から別の業種・業態に転換すること |
<サプライチェーン強靭化枠>
海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に資する取組を行う中堅・中小企業者等に対する支援を行う申請枠です。補助金額が大きく最大5億円の補助を受けることが可能となっており、対象経費が他の申請枠とやや異なっています。
(サプライチェーン強靭化枠の公募要領)
補助金額 | 1,000 万円 ~ 5億円以内 ※建物費がない場合は3億円以内 |
補助率 | 中小企業者等 1/2 中堅企業等 1/3 |
補助対象経費 | 建物費、機械装置・システム構築費 |
必須要件 | ・取引先から国内での生産(増産)要請があること(具体的な商談が進む予定がある) ・取り組む事業が、過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上拡大する業種・業態に属していること(ただし製造業に限る。) ・下記の要件をいずれも満たしていること └(1) 経済産業省が公開するDX推進指標を活用し、自己診断を実施し、結果を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること └(2) IPA が実施する「SECURITY ACTION」の「★★ 二つ星」の宣言を行っていること ・交付決定時点で、設備投資する事業場内最低賃金が地域別最低賃金より 30 円以上高いこと。ただし、新規立地の場合は、当該新事業場内最低賃金が地域別最低賃金より 30 円以上高くなる雇用計画を示すこと ・事業終了後 3~5 年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること ・「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトにて、宣言を公表していること |
<最低賃金枠>
最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等の事業再構築を支援する申請枠です。以前までの公募でも設けられていた枠で、比較的変更の少ない申請枠だと言えます。
補助金額 | 【従業員数 5 人以下】 100 万円 ~ 500 万円 【従業員数6~20 人】 100 万円 ~ 1,000 万円 【従業員数 21 人以上】 100 万円 ~ 1,500 万円 |
補助率 | 中小企業者等 3/4 中堅企業等 2/3 |
補助対象経費 | 建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費 |
必須要件 | ・補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること ・2022 年 1 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が対2019~2021 年の同 3 か月の合計売上高と比較して 10%減少していること(2022 年1 月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計付加価値額が対 2019~2021 年の同3か月の合計付加価値額と比較して 15%以上減少していることでも可。) ・2021 年 10 月から 2022 年 8 月までの間で、3 か月以上最低賃金+30 円以内で雇用している従業員が全従業員数の 10%以上いること |
<物価高騰対策・回復再生応援枠>
第9回公募までの回復・再生応援枠と緊急対策枠を統合した申請枠です。業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む中小企業等、原油価格・物価高騰等の影響を受ける中小企業等の事業再構築を支援します。売上高減少要件が30%から10%に緩和されており、利用のハードルが以前よりも下がっています。
補助金額 | 【従業員数 5 人以下】 100 万円 ~ 1,000 万円 【従業員数6~20 人】 100 万円 ~ 1,500 万円 【従業員数 21~50 人】 100 万円 ~ 2,000 万円 【従業員 51 人~】 100 万円 ~ 3,000 万円 |
補助率 | 中小企業者等 2/3(※1) 中堅企業等 1/2(※2) (※1)従業員数 5 人以下の場合 400 万円、従業員数 6~20 人の場合 600万円、従業員数 21~50 人の場合 800 万円、従業員数 51 人以上の場合は 1,200 万円までは 3/4 (※2)従業員数 5 人以下の場合 400 万円、従業員数 6~20 人の場合 600 万円、従業員数 21~50 人の場合 800 万円、従業員数 51 人以上の場合は1,200 万円までは 2/3 |
補助対象経費 | 建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門 家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、 広告宣伝・販売促進費、研修費 |
必須要件 | ・補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること ・以下(a)(b)のいずれかを満たすこと └(a)2022 年 1 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が対 2019~2021 年の同 3 か月の合計売上高と比較して 10%減少していること(2022 年 1 月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計付加価値額が対 2019~2021 年の同3か月の合計付加価値額と比較して 15%以上減少していることでも可。) └(b)再生事業者(Ⅰ.中小企業活性化協議会等において再生計画を策定中の者又はⅡ.中小企業活性化協議会等において再生計画を策定済かつ再生計画成立後3 年以内の者)であること |
申請スケジュール
現在発表されている第10回の公募スケジュールは以下のとおりとなっています。申請を検討されている事業者様は、早めの準備がおすすめです。
公募開始:令和5年3月30日(木)
申請受付:調整中
応募締切:令和5年6月30日(金)18:00
採択発表:令和5年8月下旬~9月上旬頃(予定)
事業再構築補助金を申請するためには、認定経営革新等支援機関との事業計画策定が必要となります。そのため「申請はしたいけどどこから始めて良いかわからない」という事業者様はまずは認定経営革新等支援機関に相談してみることがおすすめです。
弊社も認定経営革新等支援機関となっており、ものづくり補助金や事業再構築補助金をはじめとする様々な補助金申請や、金融機関からの資金調達支援など150件以上の支援実績を有しています。
ご興味のある方は、是非お気軽にご相談下さい!
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