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【2024年度・令和6年度実施】令和5年度補正予算案における事業再構築補助金について

令和5年11月10日、令和5年度補正予算案が閣議決定されました。

総額13兆1992億円の予算が組まれており、物価高対策や国内投資の促進などに割り当てられています。

その中には、中小企業向けの補助金拡充についても記載されています。

ここ数年はコロナ禍で新設された「事業再構築補助金」が話題となっていましたが、コロナが落ち着きつつある現状、事業再構築補助金はどうなっていくのでしょうか?

今回は2024年度における事業再構築補助金の動向・見通しについて解説いたします。

補正予算とは?

まずは、「そもそも補正予算とは一体何なのか?」について説明いたします。

補正予算とは、当初予算が成立した後、何らかの理由(例: 災害、経済の急激な変動など)で追加の予算が必要となった場合の資金を確保するために、国会に提出される予算のことです。

補正予算案は、政府から国会に提出され、議決を経て成立します。

令和5年度補正予算案における5つの柱

令和5年度の補正予算案は、総合経済対策に沿って5つの柱で構成されています。

その中でも、中小企業事業者の皆様に特に関係があるのは、補助金等について記載された「2.地方・中堅・中小企業を含めた持続的な賃上げと所得向上と地方の成長を実現する」です。

1.物価⾼から国⺠を守る(約2.7兆円)

2.地方・中堅・中小企業を含めた持続的な賃上げと所得向上と地方の成長を実現する(約1.3兆円)

3.成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進する(約3.4兆円)

4.⼈⼝減少を乗り越え変化を⼒にする社会変革を起動・推進する(約1.3兆円)

5.国土強靭化、防災・減災など国民の安全・安⼼を確保する(約4.3兆円)

令和5年度補正予算の補助金に関する具体的な記載

「経済産業省関係令和5年度補正予算案の概要」における、中小企業等向けの主な補助金についての記載は以下の通りです。

大きな所だと3つの補助金について、記載されています。

【記載箇所】 2.地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長を実現する (1) 中堅・中小企業の賃上げの環境整備、人手不足対応、生産性向上を通じた賃上げ継続の支援

項目①中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金
予算規模【3,000 億円】(R5 年度:1,000 億円)
記載内容     地方においても賃上げが広がるよう、地域の雇用を支える中堅・中小企業が、足元の人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指して行う工場等の拠点の新設や大規模な設備投資を促進する。
概要新しい補助金についての記載です。
年1000億円の予算は例年のものづくり補助金ほどの予算規模であり、大型の補助金だと言えるでしょう。
詳細は未定ですが、申請ハードルが高くなければ多くの中小企業にとって使いやすい補助金になる可能性があります。
項目②中小企業省力化投資補助事業
予算規模【1,000 億円】(中小企業等事業再構築基金の活用等含め総額 5,000 億円規模)
記載内容  人手不足に悩む中小企業等のため、カタログから汎用製品を選んで行うような簡易なプロセスにより、省力化投資への支援を行う。
※従来の事業再構築補助金は、経済構造の転換に挑戦する事業者、コロナ債務を抱える事業者等に支援先を重点化。
概要メディアなどでも紹介されている、注目度も高い補助金です。
予め登録された機械装置等を活用した省力化への支援を目的としています。
補正予算からの1千億円に事業再構築補助金の基金も加えた総額5千億円が予算となり、かなり大型の予算となっています。
カタログへの登録と選定等がどのような方法になるのかが注目されます。
項目③中小企業生産性革命推進事業
予算規模【2,000 億円】
記載内容     生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者の設備投資、IT 導入、国内外の販路開拓、事業承継・引継ぎを補助し、切れ目なく継続的に、成長投資の加速化と事業環境変化への対応を支援する。
概要中小企業生産性革命推進事業は、中小企業に人気のものづくり補助金やIT導入補助金、小規模事業者持続化補助金などの補助金を含めた予算です。
規模的には例年通りであり、ものづくり補助金も来年も継続実施される見込です。

今後の事業再構築補助金について

補正予算案では事業再構築補助金における直接的な予算計上はありませんでした。

11月12日に実施された「秋の行政事業レビュー」においても、
・抜本的に事業を構築し直すべき
・新規採択は一旦停止すべき
といった専門家からの厳しい意見が出されており、第12回公募も見通しが不透明となっていました。

ですが、「中小企業省力化投資補助事業」の注記には「従来の事業再構築補助金は、経済構造の転換に挑戦する事業者、コロナ債務を抱える事業者等に支援先を重点化」との記載もあることから、2024年度における事業再構築補助金の継続実施が予想できます。

事業再構築補助金の予算について

令和5年度補正予算では事業再構築補助金への直接的な予算計上はありませんでしたが、令和4年度補正予算では5,800億円の予算が計上されたことや、過去の基金で積み上げられた予算の余りも踏まえると、予算は余っている状況だと言えます。

「中小企業等事業再構築基金」は、令和4年度(2022年度)末において約2兆円の残高となっていましたので、令和5年度(2023年度)末時点においても1兆円を超える残高が想定されます。

ここから、中小企業省力化投資補助事業に4千億円を拠出しても、6千億円以上は事業再構築補助金に活用が可能と考えられます。

これまでの実績では1公募あたり約1,000億円の予算が消化されているので、複数回の公募が見込めるでしょう。

事業再構築補助金の継続が発表

2023年11月28日日刊工業新聞の報道より、事業再構築補助金の見直し内容が発表されました。

これにより、公募そのものは想定通りに実施される可能性が相当高いこととなります。

主な見直しの内容は以下の通りです。

・申請枠は従来の6枠から3枠へ集約(「成長枠、グリーン成長枠、産業構造転換枠」が「成長分野進出枠」の1つに集約、「物価高騰対策・回復再生応援枠、最低賃金枠」が「コロナ回復加速化枠」の1つに集約、サプライチェーン強靭化枠はそのまま)

・審査にAIを取り入れて、計画書の使い回しなどの予防を徹底

・似たようなトピック(サウナ、ゴルフ、サロンなど)の申請が集中したらAIで検知して審査を厳格化

・事前着手制度は撤廃

まとめ

事業再構築補助金は厳しい目にさらされていることもあり撤廃も想定されていましたが、引き続き継続されることとなりそうです。

最終的には公募発表次第ではありますが、一年近くは継続されることが見込める状況です。

とはいえ、令和5年度補正予算における事業再構築補助金への直接的な予算計上がないことを踏まえると、今後もずっと続くとは考えにくいでしょう。

事業再構築補助金を検討している事業者様は、より早い公募回で申請することをお勧めします。

当社では、補助金の詳細についてのご説明や、制度を活用できるかの診断、採択率を高めるフォローまで幅広くサポートを行なっています。

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