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働き方改革推進支援助成金とは?労働環境整備に活用できる助成金を徹底解説【2024年度最新情報】

人材不足が課題となっている昨今では、多様化する働き手のニーズに対応できる環境の整備は必要不可欠です。

しかし、働き方改革を進めるためのコストがネックとなって、対応が遅れている事業者様もいるのではないでしょうか?

働き方改革推進支援助成金は、労働環境の整備に活用できる助成金です

助成金を活用することで、初期コストを抑えながら働き方改革に取り組むことが可能になります。

また、人材確保だけではなく、働き方改革を通じて従業員のモチベーションが向上すれば、結果として生産性の向上にもつながります。

働き方改革に関する動きは、今後も活発化していくでしょう。

今回はそんな働き方改革に使える助成金について、解説していきます。

働き方改革推進支援助成金とは

働き方改革推進支援助成金は、中小企業における労働時間設定の改善促進を目的とした補助金です。

職場環境の改善や有給休暇取得を促進させるなどといった、働き方改革に取り組む際、その環境整備に必要な費用の一部を支援します。

業務プロセスの見直しや効率化ツールの導入、フレックスタイム制の導入や遠隔勤務システムの設置などに活用することができます

令和6年度の働き方改革推進支援助成金には、4つのコースが設けられています。

コース別に助成内容や達成する成果目標が違うので、しっかりと確認して申請するようにしましょう。

・業種別課題対応コースコース
・労働時間短縮・年休促進支援コース
・勤務間インターバル導入コース
・団体推進コース

業種別課題対応コース

2024年4月1日から、これまで規制猶予されていた建設業、運送業、病院等、砂糖製造業に時間外労働の上限規制が適用されます。

業種別課題対応コースは、これらの業種が行う労働環境の整備、働き方改革を支援するコースです。

対象となる事業者・取組

対象事業者    以下の全てを満たす事業者
(1)労働者災害補償保険の適用事業主であること。

(2)交付申請時点で、「成果目標」1から4の設定に向けた条件を満たしていること。

(3)全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること。

(4)常時使用する労働者数が300人以下もしくは資本金または出資額が3億円以下(病院等については5,000万円以下)の、建設業・運送業・病院等・砂糖製造業
対象となる取組      1労務管理担当者に対する研修

2労働者に対する研修、周知・啓発

3外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング

4就業規則・労使協定等の作成・変更

5人材確保に向けた取組

6労務管理用ソフトウェアの導入・更新

7労務管理用機器の導入・更新

8デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新

9労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

※研修には、勤務間インターバル制度に関するもの及び業務研修も含みます。
※原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。

成果目標・補助額

1から6の「成果目標」から1つ以上選択し、取組の実施に要した経費の一部が、成果目標の達成状況に応じて下記の通り支給されます。

業種ごとに選択できる目標が異なる点には注意しましょう。

以下のいずれか低い方の額

(1)成果目標1から6の上限額および賃金加算額の合計額
(2)対象経費の合計額×補助率3/4

また、上記の成果目標に加えて、対象事業場で指定する労働者の時間当たりの賃金額の引上げを3%以上行うことで、上限額を加算することが可能です。

細かい条件や補助額はこちらをご確認ください:働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)

全ての業種が選択可能
目標 内容(全ての対象事業場で実施する)補助額
1 ・36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減する

・36協定について、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届出を行う
最大250万円    
年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入する最大25万円
時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入し、かつ、特別休暇※の規定をいずれか1つ以上新たに導入する

※病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、不妊治療のための休暇、時間単位の特別休暇
最大25万円
9時間以上の勤務間インターバル制度の規定を新たに導入する・建設業、砂糖製造業        
 最大120万円
・運送業、病院等
 最大170万円
建設業が選択可能
目標 内容(全ての対象事業場で実施する)補助額
54週5休から4週8休以上の範囲で所定休日を増加させること1日増加ごとに最大25万円
※最大で100万円まで    
病院等が選択可能
目標  内容(全ての対象事業場で実施する)補助額
6医師の働き方改革推進に関する取組として以下を全て実施する

(1)労務管理体制の構築等
ア.労務管理責任者を設置し、責任の所在とその役割を明確にすること
イ.医師の副業・兼業先との労働時間の通算や医師の休息時間確保、長時間労働の医師に対する面接指導の実施に係る協力体制の整備を行うこと(副業・兼業を行う医師がいる場合に限る)
ウ.管理者層に対し、人事・労務管理のマネジメント研修を実施するなど、労働時間管理について理解を深める取組を行うこと

(2)医師の労働時間の実態把握と管理
労働時間と労働時間でない時間の区別などを明確にした上で、医師の労働時間の実態把握を行うこと
最大50万円      

労働時間短縮・年休促進支援コース

2020年4月1日から、中小企業に時間外労働の上限規制が適用されています。

労働時間短縮・年休促進支援コースは、生産性を向上させ、時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主を支援するコースです。

対象となる事業者・取組

対象事業者    以下の全てを満たす中小企業事業主
(1)労働者災害補償保険の適用事業主であること

(2)交付申請時点で、「成果目標」1から3の設定に向けた条件を満たしていること

(3)全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること
対象となる取組      1労務管理担当者に対する研修

2労働者に対する研修、周知・啓発

3外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング

4就業規則・労使協定等の作成・変更

5人材確保に向けた取組

6労務管理用ソフトウェアの導入・更新

7労務管理用機器の導入・更新

8デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新

9労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

※研修には、勤務間インターバル制度に関するもの及び業務研修も含みます。
※原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。

成果目標・補助額

1から3の「成果目標」から1つ以上選択し、取組の実施に要した経費の一部が、成果目標の達成状況に応じて支給されます。

以下のいずれか低い方の額

(1)成果目標1から3の上限額および賃金加算額の合計額
(2)対象経費の合計額×補助率3/4

このコースでも、上記の成果目標に加えて、対象事業場で指定する労働者の時間当たりの賃金額の引上げを3%以上行うことで、上限額を加算することが可能です。

細かい条件や補助額はこちらをご確認ください:働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

目標 内容(全ての対象事業場で実施する)補助額
1 ・36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減する

・36協定について、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届出を行う
最大250万円    
年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入する最大25万円
時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入し、かつ、特別休暇※の規定をいずれか1つ以上新たに導入する

※病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症対応のための休暇、不妊治療のための休暇、時間単位の特別休暇
最大25万円

勤務間インターバル導入コース

2019年4月から、「勤務間インターバル」制度の導入が努力義務化されました。

勤務間インターバルとは、勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止を図るものです。

勤務間インターバル導入コースは、その名の通り勤務間インターバル制度の導入に取り組む中小企業事業主を支援するコースです。

対象となる事業者・取組

対象事業者    以下の全てを満たす中小企業事業主

(1)労働者災害補償保険の適用事業主であること

(2)次のアからウのいずれかに該当する事業場を有する事業主であること
 ア:勤務間インターバルを導入していない事業場
 イ:既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下である事業場
 ウ:既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場

(3)全ての対象事業場において、交付申請時点及び支給申請時点で、36協定が締結・届出されていること。

(4)全ての対象事業場において、原則として、過去2年間に月45時間を超える時間外労働の実態があること。

(5)全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること。
対象となる取組       1労務管理担当者に対する研修

2労働者に対する研修、周知・啓発

3外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング

4就業規則・労使協定等の作成・変更

5人材確保に向けた取組

6労務管理用ソフトウェアの導入・更新

7労務管理用機器の導入・更新

8デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新

9労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

※研修には、勤務間インターバル制度に関するもの及び業務研修も含みます。
※原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。

成果目標・補助額

「成果目標」を達成することで、対象経費の合計額×補助率3/4が支給されます。

このコースでも、上記の成果目標に加えて、対象事業場で指定する労働者の時間当たりの賃金額の引上げを3%以上行うことで、上限額を加算することが可能です。

細かい条件や補助額はこちらをご確認ください:働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)

目標    内容補助額
1 ・事業主が事業実施計画において指定したすべての事業場において、休息時間数が「9時間以上11時間未満」または「11時間以上」の勤務間インターバルを導入し、定着を図る

・具体的には、以下のいずれかに取り組む
ア:新規導入勤務間インターバルを導入していない事業場において、事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象とする、休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルに関する規定を労働協約または就業規則に定めること

イ:適用範囲の拡大既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下であるものについて、対象となる労働者の範囲を拡大し、当該事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象とすることを労働協約または就業規則に規定すること

ウ:時間延長既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場において、当該事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象として、当該休息時間数を2時間以上延長して休息時間数を9時間以上とすることを労働協約または就業規則に規定すること
最大120万円      

団体推進コース

団体支援コースは、中小企業事業主の団体や、その連合団体(以下「事業主団体等」)が、その傘下の事業主(以下「構成事業主」)が雇用する労働者の条件改善に向けた取組を実施した場合に、その事業主団体等に対して助成するコースです。

対象となる事業者・取組

対象事業者    3事業主以上(共同事業主においては10事業主以上)で構成されており、次のいずれかに該当する、1年以上の活動実績がある事業主団体等

(1)事業主団体※
ア:法律で規定する団体等
(事業協同組合、事業協同小組合、信用協同組合、協同組合連合会、企業組合、協業組合、商工組合、商工組合連合会、都道府県中小企業団体中央会、全国中小企業団体中央会、商店街振興組合、商店街振興組合連合会、商工会議所、商工会、生活衛生同業組合、一般社団法人及び一般財団法人)

イ:労働基準法第142条に定める鹿児島県及び沖縄県における砂糖を製造する事業に関連する団体(日本甘蔗糖工業会、日本分蜜糖工業会、沖縄県黒砂糖工業会)

ウ:上記以外の事業主団体(一定の要件あり)

※事業主団体等が労働者災害補償保険の適用事業主であり、中小企業事業主の占める割合が、構成事業主全体の2分の1を超えている必要があります。

(2)共同事業主
共同する全ての事業主の合意に基づく協定書を作成している等の要件を満たしていること
対象となる取組             1市場調査の事業

2新ビジネスモデル開発、実験の事業

3材料費、水光熱費、在庫等の費用の低減実験(労働費用を除く)の事業

4下請取引適正化への理解促進等、労働時間等の設定の改善に向けた取引先等との調整の事業

5販路の拡大等の実現を図るための展示会開催及び出展の事業

6好事例の収集、普及啓発の事業

7セミナーの開催等の事業

8巡回指導、相談窓口設置等の事業

9構成事業主が共同で利用する労働能率の増進に資する設備・機器の導入・更新の事業

10人材確保に向けた取組の事業

成果目標・補助額

「成果目標」を達成することで、支給対象となる取組の実施に要した経費が、以下のいずれか低い方の額で支給されます。

以下のいずれか低い方の額

1対象経費の合計額
2総事業費から収入額を控除した額(※1)
3上限額500万円(※2)

(※1)試作品を試験的に販売し、収入が発生する場合などが該当
(※2)都道府県単位又は複数の都道府県単位で構成する事業主団体等(構成事業主が10以上)に該当する場合は、上限額1,000万円

細かい条件や補助額はこちらをご確認ください:働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)

目標    内容補助額
支給対象となる取組内容について、事業主団体等が事業実施計画で定める時間外労働の削減又は賃金引上げに向けた改善事業の取組を行い、構成事業主の2分の1以上に対してその取組又は取組結果を活用すること。最大500万円     

まとめ

少子高齢化が進む現代社会において、働き方改革はますます重要性を増しています。

柔軟な働き方やワークライフバランスの充実が進むことで、求める人材を確保できる可能性が高まります。

また、テレワークやフレックスタイム制などの導入により、地理・家庭的な制約がある人も対象とすることができるなど、採用の可能性を広げることにも繋がります。

これからのビジネス・人材確保において、働き方改革は必須の施策であると言えるでしょう。

申請の受付は2024年11月29日(金)まで(必着)となっていますが、支給対象事業主数は国の予算額に制約されるため、11月29日以前に受付が締め切られる場合があります

申請を検討されている事業者様は、早めに準備することをおすすめします!

※今回は情報提供の記事となります。
助成金の代理申請は、社労士へ依頼する必要があります。

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